コンクリートの材料製造に関わるCO2排出量のうち、90%以上がポルトランドセメントの製造時に排出されます。「T-eConcrete」はセメントの一部またはすべてを産業副産物やカーボンリサイクル製品に置き換えて、CO2の排出削減やCO2収支のマイナスを実現します。
技術の特徴
環境配慮コンクリート「T-eConcrete®」シリーズ
建築基準法対応型
セメントの代わりに高炉スラグ(製鋼過程で生じる産業副産物)を使用します。建築物の建設に適しています。
フライアッシュ活用型
セメントの代わりに高炉スラグとフライアッシュ(石炭灰の一種)を使用します。発電所など容易に石炭灰を入手できる場所での使用に適しています。
セメント・ゼロ型
セメントを使用せず、高炉スラグを特殊な反応剤を用いて固めます。CO2排出削減を極めたコンクリートです。
Carbon-Recycle
セメント・ゼロ型に炭酸カルシウムなどカーボンリサイクル製品を加えて製造したコンクリートです。CO2収支マイナスを実現します。2030年のリサイクルシステムの確立を目指しています。
T-eConcrete®研究会
当社は本研究会の基幹企業として、これまで蓄積した材料や施工に関する豊富なデータやノウハウなどの情報を商品開発担当の参画企業に提供し、各企業が自社製品の製造技術と融合させることで、多様な商品開発を行います。
実績・事例
現場打ちコンクリート
土間コンクリートへの適用
コンクリート製品ー「T-eConcrete 研究会」による普及
T-eCon®/土木構造物用
シールドトンネルセグメント
ボックスカルバート
T-razzo®/石材調建材
外階段、エントランスへの適用
実績・事例詳細
下水処理場シールドトンネル工事
セメントを使わないセメント・ゼロ型をシールドトンネルへ国内初適用しました。これにより、従来のセグメントと使用時と比較して約7割を超えるCO2を削減しました。
- 発注者
- :海老江ウォーターリンク株式会社
- 施工期間
- :2021年6月~
- 施工面積
- :シールドトンネルセグメント(外径6.4m、延長6m)
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セグメント組立性試験
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セグメント現場設置
千葉印西エリア洞道新設工事(その2)
シールドトンネル工法で施工される地中送電洞道のインバート部の部材にセメント・ゼロ型を大量に適用しました。
これにより従来のコンクリートに比べ材料製造時のCO2排出量を8割程度削減でき、「T-eConcrete」の使用量(223m3)から算出されるCO2削減量は、インバートおよび歩床部材全体で53.8tになります。
- 発注者
- :東京電力パワーグリッド株式会社
- 施工期間
- :2021年12月~
- 施工面積
- :シールドトンネル(外径4.8m、延長3,790m)
インバートブロック | 歩床ブロック | |
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使用場所 | 坑口付近 | 一般部 |
使用個数 | 12個 | 1,432個 |
寸 法 | W3.0 × D1.34 × H0.55m | W0.5 × D0.5 ×H0.55m |
重 量 | 3.8t | 0.4t |
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インバートブロック設置状況
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インバートブロックと歩床ブロック