高濃度CO2に対応した植物工場の開発

高濃度CO2に対応した植物工場の開発 室内空気から回収した高濃度CO2を用いる野菜の水耕栽培

お客様のメリット

  • 人や設備から排出されるCO2をビル内で利用するため、運用時のCO2削減に貢献します。
  • 「炭素の循環」と「食の循環」を構築した建物として、付加価値向上とSDGsに貢献します。
  • 環境への取り組みとして、企業のイメージアップに貢献します。

技術の特徴

CO2の回収技術としてDAC(Direct Air Capture)が注目されています。本技術は、DACで回収したビル内CO2を野菜の水耕栽培に利用する「炭素の循環」と「食の循環」を可能としたシステム構築です。現在のところ、成育可能なCO2濃度に関する知見は数少なく、本研究では植物の限界CO2濃度の把握から取り組んでいます。

水耕栽培試験結果

葉物野菜であるフリーレタスを題材に、異なる気中CO2濃度(1,000、2,000、3,000、4,000、6,000ppm)での栽培を実施しました。気中CO2濃度の上昇に伴い、得られる野菜の乾物重量が向上しました。さらに、食感(歯ごたえ)や抗酸化物質ポリフェノール含量も向上しており、CO2濃度の制御は、野菜の品質改良にも大きな効果があることを見出しました。

技術のコンセプト

技術のコンセプト

  • 異なる気中CO2濃度下で栽培したリーフレタス(播種 35 日目)

    異なる気中CO2濃度下で栽培したリーフレタス
    (播種 35 日目)

  • 気中CO2濃度1,000ppmで栽培したリーフレタス乾物重量に対する乾物重量増加率(播種 35 日目、各CO2濃度での5株平均値)

    気中CO2濃度1,000ppmで栽培したリーフレタス乾物重量
    に対する乾物重量増加率
    (播種 35 日目、各CO2濃度での5株平均値)

今後の予定

  • ①10,000ppm以上の高濃度CO2下での水耕栽培と限界CO2濃度の把握
  • CO2の取り込みを促進させる光波長条件、制御方法の検討