お客様のメリット
- 吹付機操作者は切羽から十分離れた位置から、切羽近くに居るような遠近感・臨場感を持って吹付作業を行うことができます。
- 吹付時間は従来とほぼ同程度です。
- 本技術の装置一式があれば、吹付機自体の改造や装備追加などを行う必要がありません。
技術の特徴
山岳トンネル工事における従来のコンクリート吹付作業では、操作者が切羽近くに立ち、切羽への吹付仕上り状況を目視で確認しながら、吹付機をリモコンで操作していました。そのため、操作者は、切羽からの肌落ちや土砂の崩落・吹付材の跳ね返りによる被災、コンクリート吹付で発生する粉塵による健康被害を受ける可能性がありました。
遠隔操作で安全性向上と作業環境改善
2016年に当社開発済みの臨場型遠隔映像システム「T-iROBO Remote Viewer」をコンクリート吹付作業に応用し遠隔操作を実現しています。
支保工組立時に使用するマンケージの下部に魚眼レンズ付きカメラ2台を収めたカメラボックスを設置して吹付部の映像を捉えさせ、操作者は切羽より後方の安全かつ粉塵の少ない場所から、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を介して吹付機をリモコンにより遠隔操作します。
実績・事例
実際のトンネル工事「熊本57号 滝室坂トンネル東新設(1期)工事」において実証実験を行いました。
支保工間の遠隔吹付を4名の操作者に実施してもらったところ、全員から①マンケージの揺れによる画像の乱れは全く感じない、②支保工間の吹付も十分できる、③吹付に掛かる時間は通常の吹付と変わらない、④吹付ブームを目視する位置が今までとは異なるが、慣れれば問題ないだろうとの高評価を得ることができました。