お客様のメリット
- 建設予定の敷地地盤が地震時に液状化するかどうか、事前に判断することができます。
- 液状化した場合の構造物の被害や地盤の変形を予測することができます。
- 液状化対策を施した場合の効果を定量的に確認し、経済的な仕様を選定できます。
技術の特徴
地震時の地盤の液状化現象を時々刻々シミュレートすることができる数値解析技術です。液状化地盤では、地震の揺れに伴って地下水の圧力が徐々に高まり、地盤が柔らかくなって大きく変形するようになります。この解析では、地震動が作用した際の水圧の上昇や地盤の剛性・強度の低下を高精度に追跡することができます。その結果、地中のどこがどの程度液状化するのか、そこにある構造物がどのような影響を受けるのかが分かります。さらに、構造物を守るために必要な液状化対策を考慮した解析を実施することにより、安全かつ経済的な液状化対策の仕様を選定することができます。
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解析例1建物直下を締固め工法により対策
締固めにより直下地盤が液状化しなくなり、杭の安全性が確保されることを確認
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解析例2地中ダクト側部に矢板締切り対策
液状化した土が地中ダクト直下にまわりこむのを矢板が遮断し、浮上がりを防止することを確認
実績・事例
当社は、TDAP-SD、LIQCA(ファイバーモデル等の非線形構造要素を導入した独自バージョン)の二種類の解析プログラムを保有しております。いずれも、2次元解析と3次元解析が実施可能です。建物から土木構造物まで、さまざまなタイプの構造物や液状化対策に適用実績があります。
TDAP-SD・LIQCAを用いた解析事例
建築 | 土木 | |
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構造物例 |
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対策例 |
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実績・事例詳細
杭支持免震建物の地震応答解析
液状化の可能性のある地盤に杭基礎で支持された構造物を設計する場合、杭と地盤と構造物を一体でモデル化して解析し、杭の安全性を確認します。
盛土構造物の沈下量評価
河川堤防や道路盛土などの盛土構造物を支持する地盤が液状化する可能性がある場合には、盛土と液状化地盤を一体でモデル化して解析し、沈下量を評価します。右の解析結果は、堤体内に配置したクロスアンカーによる液状化対策の沈下抑止効果を定量的に評価したものです。
解析精度の検証
高さ約6mの大型せん断土槽を用いて、液状化地盤中の杭の挙動に関する振動台実験を実施し、さらにそのシミュレーション解析を実施して、両者を比較しました。杭に発生する力(曲げモーメント)を時々刻々、精度良く再現できていることを確認し、実務設計に適用しています。
杭支持免震建物の地震応答解析
盛土構造物の沈下量評価
振動台実験のシミュレーション解析
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大型せん断土槽(防災科学技術研究所)
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杭頭曲げモーメント時刻歴の比較